今、最も求められている組織運営の条件(1)透明性(2)確立したシステム(3)人間主義(4)民主主義(5)ソフトパワー

海外SGIの社会貢献の活躍は、各方面から高い評価を受けていることが、聖教紙上に連日のように報道されている。

海外SGIが、なぜ賞賛を受けることができるのか、そしてそれがSGI会長に対する尊敬へとつながっていくのか――について、私たち日本のメンバーは、注意深くその理由について考えてみるべきだし、見習うところがあれば、確実に私たちの実践へと取り入れていくべきだ。

『池田大作の軌跡 平和と文化の大城』(潮出版社)の第3巻に、その淵源ともいうべきSGI会長の提案が紹介されている。

会長は、アメリカの幹部や青年との懇談のなかから、要望を受けて、いくつかの提案をしてきた。

(1)財政の透明化……収支報告を明確にする。金銭問題を起こす幹部に常に厳しい。

(2)法人会則の明文化……リーダー個人の資質に左右されないシステムの整備を。「成功したアメリカ企業は、強いリーダーシップとルールが厳格である」

(3)会員第一の精神……「温かさを失ってはならない。会員を大切にしないと、組織が壊される」

(4)合議制の実施……上意下達は時代遅れだ。組織の打ち出しを一方的に落とすような会議は行き詰る。

(5)文化本部の設置……医学者、法律家、教育者らの特性を生かす場を設けてはどうか。

これは、ほんの一例である。

日本の組織と一線を画した上で、アメリカをSGIのモデルケースにしようとの意図がうかがえる。

これら5つの指針は、着実に海外メンバーに浸透し、さらにその考え方を進化・発展させることで、大きな共感の輪を広げることに成功したのであろうことは想像に難くない。

5つの指針にそれぞれキーワードを当てはめるならば、(1)透明性(2)確立したシステム(3)人間主義(4)民主主義(5)ソフトパワー――ということになり、決してアメリカに限ったことではない、私たち日本においても、今、最も求められている組織運営の条件および資質と言っていい。

事実、かつてSGI会長は、アメリカに行く日本の幹部に次のように言い聞かせている。(同著より)

アメリカ人から学んできなさい。

教義や指導を押し付けるのではない。

アメリカ人を尊敬する。

その長所を尊重する。

そうでなければ、東洋発の宗教は根付かない。

押し付けでない、自主性、独立性を重んじ、それぞれのソフトパワーを最大限に引き出しては、周囲に共感を広げていく、このSGIの布教の在り方は、見事に花咲いた。

私たちは、これら事実に、どう向き合うべきなのか。

日本には、日本の伝統的やり方があるから、海外の方法を真似るべきではない、と拒むべきなのか。

それとも、海外での成功事例について、真剣に学び、私たちの日々の実践に取り入れていくべきなのか。

言うまでもなく、後者、つまり、海外の成功に日本の創価学会も積極的に学んでいくべきなのである。

なぜなら、ここ数十年のグローバル化の進展、そしてインターネットなど通信手段の普及・発達により、世界の人々の意識の溝は明らかに狭まり、共有される部分が確実に増えているからだ。

アメリカで成熟した民主主義という民衆が幸福に生きるための根本原理も、さまざまな情報や哲学が我が国にも流れ込み、浸透した結果、まだ不十分な状態にあるとはいえ、日本の民主主義は確実に成熟度を増してきたことは間違いない。

私たちはその意味で、アメリカなど民主主義の先輩国に、いよいよ真剣に教えを請う時が来た。

これからは、むしろ私たちが海外に積極的に出かけていって、SGIの社会貢献の在り方を学ぶ研修会を設け、実践に移していくべきではないだろうか。