2008年10月アーカイブ

真の共生へ 世界は新たな精神性を希求

SGIのヒューマニズムは模範

ハーバード大学コックス教授に聞く



 ――月刊誌「潮」に連載された博士と池田SGI会長の対談が、このほど単行本として発刊されました。そこで、改めて博士にSGI会長との対談の意義について、うかがいたいと思います。

 博士 単行本としてまとめられた対談(英訳)を改めて読み直し、私は大きな喜びに包まれております。
 一つは、私たちが、実に多くのテーマについて語り合うことができたということです。さらに、一つ一つのテーマが単独に存在するようでいて、しかし、深い関連性をもって存在している、という点に改めて感慨を覚えました。各章の寄せ集めではなく、一貫性を持っている、ということです。

 ――お二人の主張が対談という形式で紹介されている点については、どのように評価されますか。

 博士 基本的には書簡の往復を通してまとめられた対談ですが、私には、常にSGI会長がそばにおられて、質疑応答を交わしているような心地がしておりました。そこには真の対話が交わされている、との実感がありました。
 実は私は、大学の授業においても、こうした対話の形式を重視しております。
 すなわち、私が学生に質問を投げかけ、学生がそれに応答する、という形式です。この形式は、単に一方的な講義を行うより、よほど大きい教育効果や価値創造をもたらすものです。
 ゆえにSGI会長が、世界の指導者、識者と数多い対話を継続されていることの意義は、実に大きいと思うのです。
 ともあれ、対談形式で編まれた著作というものは、一人の作者が書いた本より、深い親近感を覚えるものだと考えます。

 ――博士とSGI会長の対談に一貫して流れるテーマは"宗教ルネサンスの時代"への志向でした。博士は、現代社会における宗教の役割について、どのようにお考えでしょうか。

 博士 今から半世紀ほど前、多くの人々は宗教は衰退する、あるいは存在しても文化を形成しゆく力とはなり得ない、と予測しておりました。しかし今、多くの伝統宗教が良くも悪くも活発な興隆を見せております。
 ただ、ここで忘れてはならないのは、グローバル化が急速に進む世界に生きる私たちは今、単に宗教の復興という次元にとどまっていてはならない、ということです。
 私たちは、宗教そのものの意味を根本的に問い直す段階に入ったといえるのです。すなわち、真に宗教を活性化させるためには、その基盤となる精神性そのものについて、新たな理解を持たねばなちないということです。
 その精神性は、文化的な言葉としてであれ、宗教的な言葉としてであれ、これまでとはまったく異なる形で表現されねばならないでしょう。
 その作業を通し、文化、宗教を異にする人々の真の共生を可能とするような、新しい宗教意識が形づくられていくのです。

 ――SGI会長は1993年の9月、ハーバード大学で「21世紀文明と大乗仏教」と題して講演を行い、博士から貴重な講評をいただきました。その講演でSGI会長はデューイの「誰でもの信仰」の概念を紹介しながら、普遍的なヒューマニズムの思想に根差した、宗教の未来を示唆しました。

 博士 私が言う"新たな精神性"とは"ヒューマニズム"との言葉で表現されるものといってよいと思います。仏教ヒューマニズムの名のもとに、池田会長が進めるSGIの運動は、まさにその良き模範を示しております。
 ともあれ今、古き殼を破り、新たな精神が誕生しようとしているのです。宗教は歴史上、まったく新しい舞台を迎えようとしているのです。

(聖教新聞2008年10月20日付)



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